年を迎えるにあたって楽しみなものに、年賀状がありますね。
年賀状の文末を見ると「元日」「元旦」「正月」といった言葉を見かけます。
この3つは同じように思われていて、それぞれの違いについて知っている人は意外と少ないようです。
今回は、元日・元旦・正月の違いと、年賀状での正しい使い方をご紹介します。
元日、元旦、正月の違いと意味とは?
「元日」も「元旦」も、1月1日のことを言いますが、時間帯に違いがあります。
「元日」とは、年の初めの日、つまり 1月1日全体のことを指します。
「元旦」とは、 1月1日の朝のことを言いますので、1日の午後以降は元旦ではないのです。
元旦の「旦」の字は地平線または水平線から上がってくる太陽を表しているといわれています。
そう考えると「元旦は朝」であるということが理解しやすいかもしれませんね。
また、「正月」とは、本来は1月の1ヶ月間のことを表しますが、近年では、 関東をはじめほとんどの地域は1月1日~7日まで、関西は1月1日~15日までの「松の内(門松やお正月飾りを飾っておく期間)」のことを正月と言うようになっています。
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戦前、元日は皇室行事である四方拝にちなみ、四方節(しほうせつ)と呼ばれており、四大節(しだいせつ)という四つの大きな祭日の一つでした。
四大節は以下のとおりです。
四大節 | 祝祭日 |
四方節 (1月1日) |
元日 |
紀元節 (2月11日) |
神武天皇の即位日 (現在の建国記念の日) |
天長節 (4月29日) |
昭和天皇の誕生日 (現在の昭和の日) |
明治節 (11月3日) |
明治天皇の誕生日 (現在の文化の日) |
昭和23年(1948年)に国民の祝日に関する法律により、四方節は元日となり「年のはじめを祝う」ことを趣旨とする国民の祝日となり、現在に至ります。
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元日と元旦、年賀状ではどちらを使う?
「元日」「元旦」という言葉を年賀状で使う際、一般的には1月1日に届くように投函した年賀状のみに用いられます。
1月1日に配達される年賀状はたいてい午前中に届きますので「元旦」とするのが一般的です。
年賀状を1月1日に確実に届けたい場合は、12月25日までに投函すると良いですよ。
投函するのが遅くなってしまい、1月2日以降に届く可能性のある年賀状には「元日」「元旦」とは書かずに、
「令和○○年1月吉日」
「令和○○年新春」
「令和○○年初春」
などとします。
このように、年賀状を書く際は、普通の手紙と違って、手紙が届く日付や時間帯も考えなければいけませんので注意して下さいね。
しかし現在は、「元日」と「元旦」が年賀状の締めの決まり文句のように使われている傾向があり、松の内までに届くものには「元日」「元旦」としたり、「令和○○年正月」と書く人も多く見られます。
「一月一日元旦」「新年あけましておめでとうございます」は間違い?
「元日」「元旦」には、すでに一月一日という意味が含まれています。
そのため、「一月一日元旦」と書くのは、意味が重複してしまいますので間違いです。
正しくは、「令和○○年元旦」などとし、日付は記入しないようにしましょう。
同じように、「新年あけましておめでとうございます」も、「新年」と「あけまして」は、どちらも年が明けたことを示す言葉ですので重複表現となり本来は間違いです。
しかし、すでに年始のあいさつとして広く使われており、年が改まったおめでたい気分や様子を強調する表現とも考えられるため、完全な間違いとはいえませんが、その点を考慮の上で使用しましょう。
年賀状は、元旦に届くように出すのがマナーとされていますので、特に、目上の人や上司へ送る場合は、早めに投函するようにしましょう。
なお、松の内を過ぎてしまった場合は、年賀状の替わりに「寒中見舞い」を送ります。
しかし、寒中見舞いに年賀はがきを使用することはできませんし、新年を祝う言葉もNGです!くれぐれも気をつけて下さいね。
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