「お盆」や「七夕」の時期が地域によって違うのはなぜ?7月と8月の地域はどこ?

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お盆と七夕

みなさんがお住いの地域では、「お盆」「七夕」はいつですか?

地域によって、

「お盆は8月、七夕は7月」

「お盆は7月、七夕は8月」

という地域があります。

 

「お盆」も「七夕」も、同じ日本の行事なのに、なぜ地域によって時期が異なるのでしょうか?

今回は、地域によって「お盆」と「七夕」の時期が違う理由と、各都道府県で7月と8月のどちらで行われるかについて解説します。

 

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目次

「お盆」とは?

「お盆」とは、仏教の行事で奈良時代(710年~794年)から行われており、仏教用語では

「盂蘭盆会(うらぼんえ)」
「盂蘭盆(うらぼん)」

と言われています。

 

お盆の由来は以下のとおりです。

お釈迦様の弟子の一人で、何もかも見通すことができる神通力を持っていた人物が、亡き母親の姿をみたところ、母親が餓鬼道(がきどう)に落ちて苦しんでいたそうです。

餓鬼道とは欲深い者が行く世界で、ガリガリにやせ細り、皮と骨だけの姿をした餓鬼が住んでいます。

餓鬼道

生前、自己中心的で欲望のままに生きた人が生まれ変わる世界といわれており、食欲があっても食べられず、喉がかわいても飲むことができず、飢えと喉の渇きに苦しみ続ける世界です。

供養する僧侶

そして、その母親を救うため、お釈迦様の言葉に従って多くの僧を招いて一心に供養したところ、たちどころに救われたということが盂蘭盆経という経典の中に書かれています。

このように、亡くなった先祖が地獄に落ちたりしないよう、もし落ちていたら救われるようにと始まったのが「お盆」という行事です。

お墓参りをする女性

日本では「この時期に、先祖の魂が里帰りをしてくる」とも言われており、家族や親族が集まって、先祖の魂と一緒にお寺や自宅でお坊さんにお経をあげてもらい、先祖への感謝の念と現世の人々の安寧を祈る行事として定着しています。

 

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「七夕」とは?

七夕は「五節句(ごせっく)」のひとつです。

 

五節句とは、

●1月7日「人日(じんじつ)の節句」

●3月3日「上巳(じょうし)の節句」

●5月5日「端午(たんご)の節句」

●7月7日「七夕(しちせき)の節句」

●9月9日「重陽(ちょうよう)の節句」

の五つの節句のことをいいます。

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五節句の「節」は季節の変わり目という意味があります。

そして、「節句(せっく)」は季節の節目に五穀豊穣、無病息災、子孫繁栄などを祈り、神様へお供え物をしたり、邪気を祓ったりする行事のことをいいます。

五節句は中国の唐の時代(618年~907年)にはすでに制度として整えられており、日本へは奈良時代(710年~794年)に伝わって宮中行事になったと言われています。

織姫と彦星

「七夕(しちせき)の節句」では、7月7日に一年に一度だけ「織姫(おりひめ)」と「彦星(ひこぼし)」がめぐり逢うという伝説があります。

織姫は「こと座のベガ」、彦星は「わし座のアルタイル」のことです。

織姫(ベガ)と彦星(アルタイル)

この時期に天の川をはさんで、ベガとアルタイルが最も光り輝くため、この伝説が生まれたといわています。

農業に適したこの時期になると明るくなる「彦星」を農業をつかさどる星

同じ時期に天の川を挟んで明るくなる「織姫」を裁縫を司る星

と考えるようなりました。

 

そして、裁縫を司る星である織姫にあやかって、裁縫が上達するように願いを込め、庭先に針や糸などの裁縫道具をお供えして星に祈る「乞巧奠(きこうでん)」という行事が行われました。

機織りをする女性

そして、中国から日本に織姫と彦星の伝説や、乞巧奠が伝わり、もともと日本にあった神様のために着物を織る「棚機(たなばた)」という神事が結びつき、七夕が日本に定着したと考えられています。

 

「七夕」は本来「しちせき」という読み方ですが、「たなばた」と読まれているのは「棚機」の読み方を当てたのではないかと考えられています。

七夕飾り

現在の「七夕」では、裁縫だけではなく、勉強や芸事、恋愛や五穀豊穣などさまざまな願い事を書いた短冊を、色とりどりの飾りと一緒に笹に吊ります。

 

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「お盆」や「七夕」の時期が地域によって違うのはなぜ?

もともとお盆は旧暦の7月15日を中心に、七夕は旧暦の7月7日に行われていました。

 

現在私たちが使っている暦は、「太陽暦(グレゴリオ暦)」です。

この太陽暦が採用されたのが明治5年(1872年)で「新暦」といい、それまでの使用されていた「太陰太陽暦」を「旧暦」といいます。

太陽と月

旧暦が月の満ち欠けを基準にしているのに対し、新暦は地球が太陽の周りを回る周期を基準にしているため、旧暦と新暦には1ヶ月ほどのずれがあります。

そして、旧暦から新暦に変わった時にこの 1ヶ月ほどのずれのため、お盆と七夕を「いつ行うか」ということで、その判断が地域によって異なったのが、違う理由です。

 

「お盆」と「七夕」7月と8月の地域はどこ?

それでは、「お盆」と「七夕」7月と8月の地域はどこなのでしょうか?

お盆の場合

盆踊り

お盆の場合、主に東京など一部地域では旧暦の日付をそのまま新暦に引き継ぎ7月13日~7月16日の期間に行わます

7月に行われるので、「七月盆」といいます。

 

その他、8月がお盆の地域は旧暦と新暦のずれを考慮し、ちょうど1ヶ月遅らせた8月13日~8月16日の期間がお盆に行われます。

「八月盆」「月遅れの盆」といいます。

月遅れ盆の場合は、新暦の7月は農作業が忙しい時期でもあるため8月にしたといわれています。

また、1ヶ月ずれると「季節感」が変わってしまうため、旧暦と同時期に行事を続けたるため、1ヶ月遅らせ8月にしたともいわれています。

 

7月と8月の地域は以下のとおりです。

■お盆の時期

7月の地域 東京都、神奈川県、埼玉県、静岡県の一部、北海道函館市の一部、石川県金沢市の一部など
8月の地域 上記以外

お盆のお供え

七夕の場合

七夕の場合、多くの地域では旧暦の日付7月7日をそのまま新暦の7月7日としていますが、これは五節句である七夕の日付を奇数のままにするためだとと考えられます。

また、月遅れの8月7日の地域は、お盆同様、新暦の7月は農作業が忙しい時期であることと、1ヶ月ずれると「季節感」が変わってしまうのが主な理由と考えられます。

 

7月と8月の地域は以下のとおりです。

■七夕の時期

7月の地域 下記以外
8月の地域 北海道( 函館や根室など一部地域を除く)、宮城県仙台市、岩手県盛岡市、秋田県湯沢市、福島県いわき市、茨城県水戸市、茨城県土浦市、群馬県桐生市、埼玉県狭山市、埼玉県小川町、埼玉県ふじみ野市、東京都杉並区、東京都福生市、新潟県村上市、石川県珠洲市、富山県高岡市、岐阜県大垣市、愛知県安城市、愛知県一宮市、愛知県名古屋市、三重県松阪市、山口県山口市、香川県三木市、大分県大分市など

七夕飾り

7月のところと8月のところがある理由がわかりましたね。

ところで、新暦と旧暦のずれは、厳密に1ヶ月ではなく毎年異なります。

そのため「十五夜(旧暦8月15日)」のように、旧暦と新暦のずれを厳密に考慮した行事は、毎年日付が異なります。

しかし、お盆や七夕は旧暦の日付をそのまま当てたり、単純に1ヶ月ずらす「月遅れ」の行事として定着したのですね。

自分自身が生まれ育った地域とは日にちが異なる地域へ引っ越した場合は少し戸惑ってしまうかもしれませんが、その土地の伝統として楽しみましょう!

 

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コメント

コメント一覧 (3件)

  • 現在お盆の日時が場所によって7月の所と8月の所があり混乱します。
    地域的に8月のお盆の所が多いなら8月1本に統一すべきです。如何ですか。
    東京は7月15日がお盆です。

  • 七夕は、7月行う地域と、8月行う地域とを、人生の半分ずつ過ごしたため、ちゃっかり7月7日と8月7日の両方だと思って、2回やっています。なので、他の方よりたくさんの願い事をきいてもらってる……はず。地域によって、七夕の捉え方が微妙に違っていておもしろいので、統一はもったいない気がしますね。

    • コメントありがとうございます!
      7月7日と8月7日の2回七夕を楽しんでいるという話を初めて聞きました。
      きっと他の人よりお願い事もたくさん叶っているのではないでしょうか(笑)
      地域ごと文化の違いを楽しめるのは素晴らしいことですね!

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