四万六千日の由来と意味とは?2025年はいつ?ほおずき市の由来

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夏の風物詩ともいわれる「四万六千日」は、毎年多くの人で賑わう行事です。

「四万六千日」が行われることで有名なのは東京都台東区の浅草寺です。

境内では「ほおずき市」が開催され、たくさんの人で賑わいます。

また、「四万六千日」は浅草寺以外にも日本各地で行われているそうですよ。

今回は「四万六千日」や「ほおずき市」の意味や由来、2025年はいつ、どこで行われているのかについて解説します!

 

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目次

四万六千日の由来と意味とは?

読み方は「しまんろくせんにち」です。

四万六千日とは、46,000日分の功徳(くどく)がある縁日(えんにち)という意味です。

 

功徳とは、良い行いのことで、功徳を積むことで果報やご利益を受けられるとされています。

縁日とは、特定の神仏に縁のある日のことで、この日にその神仏にお参りをすると普段以上にご利益があると信じられています。

つまり、 四万六千日に参拝すれば、46,000日分参拝したのと同じご利益があるということになります。

四万六千日は仏教の菩薩の一尊である、観音菩薩(かんのんぼさつ)の縁日です。

観音菩薩は、

「観自在菩薩(かんじざいぼさつ)」
「観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)」
「観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)」
「救世菩薩(くせぼさつ・ぐせぼさつ)」

などの別名があります。

親しみを込めて「観音様(かんのんさま)」と呼ぶこともあります。

 

観音菩薩は悟りを開くために修業を積んでいる修行者です。

修行者ではありますが、救いを求める人々のお願いを聞き、助けてくれるということで庶民の信仰の対象となってきました。

観音菩薩像

観音菩薩の縁日は、毎月18日ですが、室町時代の末期ごろになると、18日以外の日に「この日に参詣すると100日、1,000日分の功徳がある」とされる「功徳日(くどくび)」という特別な縁日が追加されました。

観音菩薩をお祀りしたことで始まったのが浅草寺といわれており、浅草寺のご本尊は観音菩薩です。

そして、浅草寺で最も功徳があるのが7月10日の46,000日で、特にこの日は「四万六千日(しまんろくせんにち)」と呼ばれています。

功徳日は寺社によって異なりますが、浅草寺では毎月1回、年に12回の功徳日を設けています。

浅草寺の功徳日と日数は以下のとおりです。四万六千日以外は特別な呼び方はないようです。

功徳日 日数
1月1日 100日
2月最終日 90日
3月4日 100日
4月18日 100日
5月18日 100日
6月18日 400日
7月10日 46,000日
8月24日 4,000日
9月24日 300日
10月19日 400日
11月7日 6,000日
12月19日 4,000日

「四万六千日」の由来は、定かではありませんが、

『 お米の一升が米粒46,000粒なので「一升=一生」とかけた 』

『 46,000日は約126年で人の寿命の限界ということで「一生分の功徳が得られる」と考えた 』

などの説などあります。

江戸時代になると、「四万六千日」が定着し、人々は我先に浅草寺を参詣しようと前日の7月9日から境内が賑わうようになったため、7月9日と10日の二日間が縁日となりました。

また、他の寺社では、8月9日または10日に行われているところもあります。

これは、明治5年(1872年)に旧暦から新暦に改暦された際に、日付をそのまま新暦に当てはめた寺社と、旧暦と新暦のズレを考慮して一か月後にした寺社があるため、「四万六千日」の日程が異なるのです。

 

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ほおずき市の由来とは?

浅草寺のほおずき市

浅草寺のほおずき市

四万六千日には、「ほおずき市」が行われます。

ほおずき市の起源は江戸時代中期の明和年間(1764年~1772年)といわれ、最初にほおずき市が行われていたのは東京都港区芝の愛宕神社でした。

ほおずきを丸飲みすることで、大人は持病を、子どもは腹の中にいると考えられていた虫による腹痛などを治すことができるとして評判だったそうです。

愛宕神社の縁日も「四万六千日」だったことから、「四万六千日」の本家とされる浅草寺でもほおずき市が行われるようになり、愛宕神社以上に盛大になったそうです。

ほおずきの他に、「とうもろこし」を売っている寺社もあります。

昔、「赤とうもろこし」を吊るしていた農家だけが落雷の被害にあっても無事だったことから、江戸時代末期の文化年間(1804年~1818年)以降、「雷避け」として赤とうもろこしが売られるようになったそうです。

しかし、明治時代初期頃に赤とうもろこしが不作で出回らず、人々が浅草寺に雷避けのお守りを求めたことから、「雷除札(かみなりよけふだ)」という竹串に挟んだ三角形の守護札が授与(じゅよ)されるようになりました。

現在も四万六千日に「雷除札」が授与されています。

外部リンク:雷除札(リンク先右下画像)

 

神社やお寺では、お札やお守りなどを「販売する」「購入する」とは表現しません。

神様や仏様から「授けていただくもの」という考え方なので「授与」と表現します。

お札やお守りには、神様や仏様が宿っていらっしゃるという考え方もありますので、神様や仏様を「売り買いする」という表現は適切ではないのです。

 

また、石川県金沢市東山の観音院などでは、現在も「とうもろこし」が売られ、軒先に吊るすと商売繁盛や魔除けなどの御利益があるといわれています。

外部リンク:金沢市東山「観音院」のとうもろこし

 

2025年の「四万六千日」はいつ?

四万六千日の日程は寺社によって異なりますので、いくつかご紹介いたします。

※下記は2024年の情報です。2025年は分かり次第更新いたします。

 

東京都台東区 浅草寺

2024年7月9日(火)、10日(水)

両日に限り「雷避け」のお札が授与され、ほおずき市が開催されます。

外部リンク:東京都台東区 浅草寺

 

東京都文京区 護国寺

2024年7月9日(火)、10日(水)

両日に限り「雷避け」のお札が授与され、ほおずき市が開催されます。

外部リンク:東京都文京区 護国寺

 

兵庫県神戸市灘区 摩耶山天王寺

2024年8月8日(木)、9日(金)

ほおずき市はありませんが、8日は夜祭として日付が変わるまで賑わっているそうです。

外部リンク:兵庫県神戸市灘区 摩耶山天王寺

 

長崎県佐世保市 福石山清岩寺、福石観音

2024年8月8日(木)~10日(土)

ほおずき市はありませんが、夏祭りとして開催され飲食の出店が多く立ち並ぶようです。

外部リンク:長崎県佐世保市 福石山清岩寺、福石観音

 

神奈川県鎌倉市 杉本寺、長谷寺、安養院

2024年8月10日(土)

ほおずき市はありません。

外部リンク:杉本寺 四万六千日大祭

外部リンク:長谷寺 四萬六阡日大功徳日

 

千葉県館山市 那古寺

2024年8月9日(金)

ほおずき市はありません。

外部リンク:那古観音「四万六千日」

 

石川県金沢市東山 観音院

毎年旧暦7月9日、2024年は8月12日(月)

ほおずき市はありませんが、商売繁盛や厄除けの御利益があるとされるとうもろこしが販売されます。

外部リンク:石川県金沢市東山 観音院

 

四万六千日はいつの季語?

 四万六千日は夏の季語です。

また、ほおずき市も夏の季語になります。

その日に参詣するだけで、46,000日分の御利益が・・・と言われると、多くの人で賑わうのも納得ですよね。

寺社に参詣した際には、御朱印をいただく人も多いと思いますが、四万六千日の日限定の御朱印がある寺社も多く、長蛇の列になるそうです。

整理券を配って対応する寺社もありますので、事前にチェックしておくと安心ですよ。

暑い季節のことですから、日よけ対策、水分補給をしっかりして楽しみたいですね!

 

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