春のお彼岸と秋のお彼岸、年に2回お彼岸がありますね。
お彼岸には「お墓参りに行く」という方も多いと思いますが、お彼岸だけではなく、お盆にもお墓参りに行きますよね?
お彼岸とお盆、どちらもお墓参りに行くのに何が違うのでしょう?
今回は、お彼岸の意味や、お盆との違いについてわかりやすく解説します。
お彼岸とは?
彼岸の読み方は「ひがん」です。
彼岸は、雑節(ざっせつ)のひとつです。
雑節とは、二十四節気(にじゅうしせっき・1年間を24等分したもの)や五節句(ごせっく・季節の節目の行事)のほかに、季節の移り変わりをより適確につかむために設けられた特別な暦日(れきじつ・こよみで定められた日)のことです。
雑節、五節句、二十四節気の詳細については以下の記事を御覧ください。
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彼岸は、春分の日と秋分の日を中日(ちゅうにち・真ん中の日)とし、前後それぞれ3日間を合わせた7日間のことを指します。
この期間に行う仏事を彼岸会(ひがんえ)といいます。
最初の日を「彼岸入り(ひがんいり)・彼岸の入り(ひがんのいり)」
最後の日を「彼岸明け(ひがんあけ)・彼岸の明け(ひがんのあけ)」
と呼びます。
まとめると以下のとおりになります。
日目 | 日程 |
1日目 | 彼岸入り・彼岸の入り |
2日目 | |
3日目 | |
4日目 | 春分の日・秋分の日(中日) |
5日目 | |
6日目 | |
7日目 | 彼岸明け・彼岸の明け |
「彼岸」は仏教用語です。
仏教では、今私たちがいる煩悩や迷いに満ちた世界を「此岸(しがん)」といいます。
此岸にいる者が「六波羅蜜(ろくはらみつ)」の修行をすることで煩悩や悩みの海を渡って辿り着く悟りの世界を「彼岸(ひがん)」といいます。
簡単にいうと此岸は「この世」、彼岸は「あの世・極楽浄土」のことです。
彼岸はもともと「此岸から彼岸に到るための修行」と言う意味で「到彼岸(とうひがん)」と呼ばれていました。
到彼岸は、サンスクリット語の「paramita(パーラミター)」が由来で、中国で「波羅蜜(はらみつ)」という漢字が当てられました。
波羅蜜は、到彼岸と基本的に同じ意味なります。
そして、六波羅蜜という6つの修業徳目が重視されており、これらの修行を完成させることで「彼岸」に到達するとされています。
6つの修業徳目は以下のとおりです。
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①布施(ふせ)
お金や衣類などを無償で与えたり、人に親切に接するなど、他人に何かを施したり、見返りを求めない善行をすることです。
②持戒(じかい)
ルールやマナーを守る、規則正しい生活をすることです。
③忍辱(にんにく)
寛容な心を持ったり、辛抱強くものごとにあたるなど、耐え忍ぶことです。
④精進(しょうじん)
続けている善行は引き続き行い、まだ実践していないのなら今から始めるなど、誠心誠意努力を怠らないことです。
⑤禅定(ぜんじょう)
自分自身を冷静に見ること、心穏やかに過ごすことです。
⑥智慧(ちえ)
この世の真理を見極めたり、正しく物事を見ることです。
六波羅蜜の修行は、春分の日・秋分の日以外の6日間で行い、春分の日・秋分の日は、先祖供養を行います。
日目 | 修業の内容 |
1日目 | 布施 |
2日目 | 持戒 |
3日目 | 忍辱 |
4日目 | 先祖供養 |
5日目 | 精進 |
6日目 | 禅定 |
7日目 | 智慧 |
なぜ彼岸に修行を行うのかというと、彼岸は西、此岸は東にあるので、太陽が真東から昇って真西へ沈む春分と秋分の日は彼岸と此岸が通じやすくなると考えられているからです。
お彼岸はインドや中国など仏教を信仰する他の国はなく、お彼岸に仏事を行うのは日本独特のものだといわれています。
もともと日本では古来より民間信仰のひとつとして太陽を信仰していました。
春分と秋分に太陽が真東から昇って真西へ沈むことを特別なことと考えていたところに、仏教の「彼岸」が組み合わさり、お彼岸はより彼岸に近づけるよう修行をする期間になったといわれています。
また「お彼岸」といえば、お墓参りなどの先祖供養ですが、太陽信仰と同じように日本には古来から先祖崇拝という民間信仰がありました。
この祖先崇拝と彼岸にあの世とこの世が通じやすくなるという考え方が組み合わさり、お彼岸に極楽浄土に想いを馳せ先祖供養をするようになったとわれています。
2025年のお彼岸はいつ?
2025年のお彼岸は以下のようになります。
春のお彼岸
3月17日(月)彼岸入り
3月20日(木)春分の日(中日)
3月23日(日)彼岸明け
秋のお彼岸
9月20日(土)彼岸入り
9月23日(火)秋分の日(中日)
9月26日(金)彼岸明け
お盆とは?
お盆には、ご先祖様の魂が里帰りをしてくるといわれています。
そのため、家族や親戚が集まってお寺や自宅でお坊さんにお経をあげてもらったり、お墓参りをして先祖への感謝し、供養する行事として定着しています。
現在、日本で全国的に行われている行事の多くは、地域によって旧暦で行われたり、新暦で行われたりしています。
お盆の時期は地域によって違いがあり、7月13日~7月16日までのところ、月遅れの8月13日~8月16日までのところ、旧暦のお盆に合わせて行われるところがあります。
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お盆とお彼岸の違いとは?
お盆とお彼岸の違いは以下のとおりです。
お盆
ご先祖様に感謝し供養する期間のことです。
ご先祖様があの世から私たちのところへ帰ってくるといわれており、私たちはご先祖様をお迎えし、供養し、再びあの世へ送り出します。
お彼岸
彼岸に近づけるよう修行をする期間です。
太陽が真東から昇って真西へ沈むことから、あの世とこの世が通じやすくなると考えられ、先祖供養が行われます。
どちらも先祖供養をすることに違いはありませんが、このような違いがあるのですね。
いかがでしたでしょうか?
悟りを開いて彼岸に近づく修行をする人は、私たち一般人の中にはいないのかもしれませんが、ご先祖様に感謝し、供養する人は多くいらっしゃると思います。
今の自分があるのはご先祖様のおかげと感謝をし、現在どのように生きているのか、墓前で報告をするとご先祖様も喜んでくださるのではないでしょうか。
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