みなさんの周りには「よく見かけるけど名前がわからない」という物はありませんか?
正式名称がわからないから「魚の形の醤油入れ!」とか「カレーを入れる銀色の器!」とか言っていませんか?
それでも通じてしまいますが、どのような物にも、正式名称があります。
今回は、身近でよく見かけるのに意外と名前がわからないものの正式名称をご紹介します!
【正式名称は何?】身近によく見かけるのに意外と名前がわからないもの
それでは、正式名称をみていきましょう!
魚の形の醤油入れ
醤油だけではなくソースなどいろいろな調味料をいれることができる小さな容器で、お弁当に入っていることが多いです。
正解:ランチャーム
「ランチャーム」は商品名で、調味料を入れる小さな容器全般を「たれびん」と呼びます。
「たれびん」はもともとガラス製のものでしたが、昭和32年(1957年)に大阪の旭創業がポリエチレン製の容器「ランチャーム」を開発しました。
魚だけではなくひょうたんや豚、四角い形をしたものなどがあり、「ランチャーム」は「ランチ」と「チャーミング」を合わせた造語です。
カレーを入れる銀色の食器
お店でカレーを注文すると、お皿にライスだけが盛られ、カレーは魔法のランプのような形をした銀色の食器に入れられてきますよね。
正解:グレイビーボート
英語で「gravy boat」と書きます。
グレイビーボートはイギリス発祥のもので、もともとはグレイビーソース(調理された食肉から出る肉汁を元に作られるソース)を入れるための器です。
そのためイギリスでは「ソースボート(sauce boat)」とも呼ばれ、グレイビーソースだけではなくいろいろなソース、ドレッシングを入れて使うそうです。
グレイビーボートはイギリスから日本へカレーと一緒に伝わってきたのですが、日本人が「カレーを入れると良いかも?」と試したところ、おしゃれで格好良かったため、カレーを入れる器として広まりました。
関連:日本のカレーの歴史とは?発祥はイギリス?インドのカレーとの違いとは?
ストーブに灯油を移す時の道具
液体ポンプの一種で、主にポリタンクに入った灯油を、ストーブのタンクに移す時に使います。
正解:石油燃焼機器用注油ポンプ
正式名称は「石油燃焼機器用注油ポンプ」ですが、「灯油ポンプ」または「石油ポンプ」と呼ぶことが一般的です。
サイフォンの原理が用いられており、最初に手動で赤い部分を握ればあとは勝手に灯油が移動していきます。
サイフォンの原理とは、隙間のない管を利用して、液体をある地点(ポリタンク)から目的地(ストーブのタンク)まで、途中で出発地点より高い地点を通って導く仕組みのことです。
ドクター中松が「醤油チュルチュル」の名称で発明したという噂がありますが、醤油チュルチュルは「灯油ポンプを改良したもの」とご本人が語っており、それは間違いです。
数を数えるときに使うカウンター
交通量や野鳥を数えるときに使う手持ち型のカウンター
正解:数取器(かずとりき)
驚いた時などに用いる「!?」「?!」
「!」は一般的に、
「ビックリマーク」
「エクスクラメーションマーク」
「感嘆符」
と呼びます。
「?」は一般的に、
「クエスチョンマーク」
「はてなマーク」
「インテロゲーションマーク」
「疑問符」
と呼びます。
この二つが合わさった「!?」にも正式名称があります。
正解:ダブルダレ
印刷業界では
「!」を「あまだれ」
「?」を「みみだれ」
と呼びます。
そして、「あまだれ」「みみだれ」が合わさった記号をダブルダレと呼びます。
「!?」と「?!」はどちらも「ダブルダレ」と呼びます。
日本語で呼ぶときは少々異なり、
「!?」は「感嘆符疑問符」
「?!」は「疑問符感嘆符」
と呼びます。
ハムスターが回っている道具
ハムスターをケージの中で運動させるための道具です。
円筒形で、中に入ったハムスターが定位置で走り続けることができます。
正解:回し車 または ハムスターホイール
ハムスターを飼育するケージ内は狭いので、運動不足の解消を目的に回し車をケージ内に入れます。
のど自慢で使われる鐘
「NHKのど自慢」という番組のオープニングや、出場者の評価のために鳴らされる鐘です。
正解:チューブラーベル
「チューブラーベル」の他、
「チャイム」
「シンフォニック・チャイム」
「コンサート・チャイム」
「オーケストラ・チャイム」
などと呼ぶこともあります。
鐘を鳴らす数は、3種類あります。
「ドシラソ ドシラソ ド ミ レ」と長く鳴らされたら「合格」の意味があります。
「ド レ」と2回鳴らされるのは「不合格」の意味があります。
「不合格」でも稀に「ド」と1回しか鳴らないときもあります。
日本ビクターのトレードマーク、蓄音機を聞く犬
レコード会社「Victor(ビクター)」のロゴマークには、蓄音機を聞く犬が描かれています。
耳を傾けて蓄音機を聞く姿はとてもかわいらしく、長年愛されています。
正解:ニッパー
犬の名前は「ニッパー」といいます。
ニッパーは、イギリスの画家Francis Barraud(フランシス・バロウド)の絵画「His Master’s Voice」のモデルとなった犬です。
ニッパーはフランシスの兄に飼われていた非常に賢いフォックス・テリアです。
フランシスの兄が亡くなったあと、フランシスは兄の息子とともにニッパーを引き取りました。
そして、たまたま家にあった蓄音機で、かつて吹き込まれていた兄の声を聞かせると、ニッパーは蓄音機の前で耳を傾けて聞き入っていたそうです。
フランシスはそのニッパーの様子に心を打たれて絵画にしました。
その様子がロゴになっているんですね。
仏像のパンチパーマみたいな髪型
仏像の頭をよくみると、パーマのような髪型になっているものがあります。
くるくると丸まって、まるでパンチパーマを当てているように見えます。
正解:螺髪(らほつ)
螺髪の「螺」は巻貝のことです。
知恵と徳の高さを表現していて、悟りを開いた位の高い仏様の特徴の一つでもあります。
螺髪は、昔のインドの階級の高い人たちの髪型が由来ともいわれています。
すべて同じ大きさで、ひとつひとつが長い髪の毛一本が丸まったものだそうです。
螺髪は普通、右巻きなのですが、鎌倉大仏は左巻きになっています。その理由はわかっていません。
関連:奈良の大仏と鎌倉の大仏の違い。大きさ、重さ、材質などいろいろ比較!
仏像のおでこにあるほくろ
仏像のおでこには大きなほくろがあり、彫刻では水晶を入れて表現することがあります。
正解:白毫(びゃくごう)
「白毫」は、仏の眉間の少し上に生えているといわれる白い毛がまとまったものです。
毛の長さは約4.5mあるといわれており、右巻きに丸まっています。
白毫は、仏の慈悲の光が全世界へと届き、悩み苦しむ人々を見えぬところまで見抜くことのできる力を意味しています。
抽選の時にガラガラまわして玉を出す道具
福引などの抽選で、多角形の箱をガラガラと回し、中から出てきた玉の色で当落や賞品が決まる道具です。
正解:新井式廻轉抽籤器(回転抽選器)(あらいしきかいてんちゅうせんき)
大正時代(1912年~1926年)に、東京で帽子屋を営んでいた新井卓也さんが考案したものです。
正式名称で呼ぶことはほとんどなく、
「ガラガラ」
「ガラポン」
「福引器」
「ガラガラ抽選機」
などいろいろな呼び方があります。
裁判官が叩く木づち
ドラマや映画を見ていると、裁判所の法廷内がざわついたときに裁判官が「静粛に!」と言いながら木づちを叩くと、一瞬で静まり返るシーンがあります。
正解:ガベル または ギャベル
ドラマや映画では裁判官がガベルを使うシーンがありますが、実は、日本の法廷にはガベルはありません。
ガベルと同じような機能を備えた道具も置かれておらず、法廷内が騒がしい時は、
「静粛にしてください」
「法廷を出て行きなさい」
と言葉で注意するそうです。
英語で「gabel」と書き、ヨーロッパやアメリカの裁判所で使用されています。
ガベルを使うシーンが印象的なので、日本ではドラマや映画など架空の世界で用いられるようになったようです。
視力検査の「C」
視力検査で「C」のようなマークで、上下左右いずれか一カ所が欠けた環です。
正解:ランドルト環(ランドルトかん)
ランドルト環は、世界共通の視力検査用の記号です。
一定の距離から片目を隠した状態でマークを見て、欠けた場所がどこなのかを判定することで視力を検査します。
視力検査の際、ランドルト環だけではなくひらがなやカタカナが書かれていることもありますが、これは日本だけです。
英語圏ではランドルト環とアルファベットが書かれているそうです。
「ランドルト」とは人の名前です。
エドムンド・ランドルト(1846年~1926年)は、パリで活動したスイスの眼科医で、ランドルト環の考案者です。
視力検査で片目を隠す道具
視力検査の時に片目を覆う道具で、棒の先に目を覆う十分な大きさの丸いものがついています。
正解:遮眼子(しゃがんし)
食パンの袋を閉じる道具
食パンの袋を閉じる、白や水色のプラスチック製の道具です。
国内で生産しているのは埼玉県川口市のクイック・ロック・ジャパン(株)だけです。
正解:バック・クロージャー
アメリカのクイック・ロック社の創業者であるフロイド・パクストンが1952年に開発しました。
リンゴ生産者から「リンゴを袋詰めしたあと、袋の口を簡単に閉じる方法はないか?」と相談を受けて開発されたものです。
アメリカでは野菜や果物の袋にも使われています。
梱包する時のプチプチ
品物を衝撃から守るため、梱包するときに品物を包んだり、品物が動かないように隙間に入れます。
正解:気泡緩衝材(きほうかんしょうざい)
ポリエチレンの膜の間に多くの気泡を作った包装材で、気泡の大きさには大小あります。
「プチプチ」は川上産業株式会社の登録商標です。
体操選手や野球の投手が使う白い袋
体操選手が競技前に手につけたり、野球の投手が投げる前に手につけたりする白い袋には粉が入っています。
正解:ロジンバッグ または ロージンバッグ
英語で「Rosjn Bag」と書きます。
袋の中には滑り止め剤の粉末が入っていて、手先の滑り止めを目的として使用します。
袋を握ったり叩いたりすることで、袋の繊維の間から適量の粉末が出てきます。
「ロジン」とは、滑り止め成分の一部である松脂(まつやに)由来の天然樹脂です。
息を吹き込んで遊ぶ笛のおもちゃ
ストローに息を吹き込むと、先端のくるくるに丸まった紙の部分が「ピ~」と鳴りながら伸び、伸びた後はくるくると戻ってくるおもちゃです。
正解:吹き戻し
吹き戻しの歴史の詳細がわかりませんが、大正時代に大阪の玩具メーカーが作ったのが最初といわれています。
吹き流しに息を吹き込むので、呼吸や嚥下機能を改善し、肺や心臓の機能を鍛えたり、腹式呼吸でダイエット効果があったりと、様々なトレーニング効果が認められ、医療・介護・美容の現場でも広く利用されています。
伸びる部分が1本のものが一般的ですが、20本近くある吹き戻しもあります。
「巻き取り」
「巻き笛」
「ピーヒャラ笛」
「蛇笛」
「ピロロロ」
「ピロピロ」
「ぴろぴろ笛」
などいろいろな呼び方があります。
スーツの裾にある切れ込み
スーツやジャケットを着ている人の後姿を見ると、スーツやジャケットの裾に切れ込みがありますよね。
ビジネススーツでは真ん中にひとつだけ切れ込みがあるもの、両サイド二カ所に切れ込みがあるものが一般的です。
正解:ベント
「ベント」とは、ジャケットの裾の切れ込みのことを指し、着用時の動きやすさを高める目的で作られています。
真ん中にひとつだけ切れ込みがあるものは「センターベント」
二カ所(両サイド)に切れ込みがあるものは「サイドベンツ」
切れ込みがないものは「ノーベント」
といいます。
神社やお寺、橋にある玉ねぎの形をした装飾
神社やお寺の階段や欄干、橋の手すりや欄干などの上に置かれています。
玉ねぎのような形をしていますが、ネギのように見えることから「葱台(そうだい)」とも呼ばれています。
正解:擬宝珠(ぎぼし、ぎぼうしゅ)
仏教の宝珠を模したものが擬宝珠だといわれています。
宝珠とは、仏教では仏や、仏の教えの象徴とされており
「お釈迦様(仏教の開祖)の骨壺の形を模している」
「地蔵菩薩が手のひらに乗せているものを模している」
「龍神の頭の中から出てきたもの」
などといわれています。
また、ネギの独特の臭いが厄除け、魔除けになると信じられていることから、その力にあやかってネギを模したものが橋や神社などで装飾されるようになったともいわれています。
レジにあるお金を入れるトレイ
スーパーやコンビニエンスストアをはじめ、多くのお店のレジで支払いの際に用いられています。
正解:カルトン
材質は、合成樹脂、合成皮革など安価なものから、金属、天然皮革など高価なものまで様々です。
カルトンのほかに、
「金盆(きんぼん)」
「コイントレイ」
「釣銭トレイ」
「キャッシュトレイ」
「会計盆」
などいろいろな呼び方があります。
爪の根元の白い部分
手足の爪をよく見てみると、爪の根元に白い部分があります。
この白い部分がない人もいますし、手足の爪のうちこれがある爪、ない爪もあります。
正解:ルヌーラ
日本語では「爪半月(そうはんげつ)」といいます。
この部分は成長途中で角質化しておらず、通常より柔らかい状態の新しい爪で、水分を含んでいるため他の部分より白く見えます。
ルヌーラの上には甘皮があるため、位置によってはルヌーラが全くみえないこともあります。
ガードレールの端の丸くなった部分
ガードレールの端っこは、くるんと丸くなっています。
正解:袖ビーム(そでビーム)
「袖(そで)」は建築用語で「端っこ」や「両脇」とういう意味です。
「ビーム」は建築用語で「梁(はり)」という意味です。
ガードレールの場合の「ビーム(梁)」は、横向きの板の部分になり、「袖ビーム」は「梁の端っこ・両脇」ということです。
コートやジャケットの肩についている布
コートやジャケットの肩に、何に使うのかよくわからないけれど、ついているとおしゃれに見える布がありませんか?
正解:エポーレット(エポレット)・肩章
もともとは、フランス語で肩を意味する「エポール(epaule)」に、「小さい」を意味する指小辞の「ette」がついて「エポーレット(epaulette)」となりました。
18世紀中ごろから、銃や水筒、双眼鏡などの装備品がずり落ちないように留める目的で軍服に用いられていましたが、次第に装飾目的でつけられるようになりました。
理容室でくるくる回るポール
理容室の入り口付近には、青、白、赤の縞模様がくるくる回る細長いポールがあります。
正解:有平棒(あるへいぼう) または サインポール
日本語の有平棒の語源は、砂糖菓子の有平糖という飴に似ていることが由来です。
サインポールは理容室であることを示すもので、3色のサインポールは世界共通のマークであるといわれています。
青、白、赤の由来は諸説あります。
●瀉血(しゃけつ)が由来という説
瀉血とは、血液を排出することで症状を改善する治療法のことです。
中世ヨーロッパでは「体の悪い部分に悪い血が集まる」と考えられており、意図的に出血させることで、頭痛などを治療していました。
瀉血の際、血液は患者に握らせた棒を伝って落ちていくようになっており、その棒は血液が目立たないように赤く塗っていたそうです。
また、その患部に巻いた包帯は洗って使いまわしていました。
ある日、赤い棒と洗った包帯を干していたら風が吹き、赤い棒に包帯がくるくるらせん状に巻き付いて、サインポールのような状態になったそうです。
これがサインポールの原型といわれています。
この頃のヨーロッパでは、髪の毛を切ることは体を切ることと同じと考えられていたので、外科手術と散髪が同じ場所で行われていたそうです。
そのため、理髪師が外科的治療(主に瀉血)も行っていたのですが、次第に理髪師と外科医の仕事が分離されていきました。
その結果、1745年に「理容と外科を分離させる法令」が出され、理髪師は青、白、赤の看板、外科医は赤と白の看板を掲げるよう決められたことが、サインポールの三色の由来となっているようです。
●動脈と静脈と包帯という説
赤は動脈、青は静脈、白は包帯という説があります。
動脈と静脈が発見されたのは1628年です。
中世ヨーロッパで理髪師が青、白、赤の看板を掲げるようになったのは12世紀ごろと考えられていますので、動脈と静脈が発見される以前の出来事ですので、信憑性が乏しいといわれています。
●フランス国旗が由来という説
1815年のワーテルローの戦いで、フランス国旗を巻き付けた棒が野戦病院に立てられたのが由来という説があります。
フランス国旗は、青、白、赤の三色です。
雨が落ちていく傘の先端部分
雨が降って傘をさした時、雨が落ちていく傘の先端部分です。
傘を閉じた状態の時は、ハンドル(手で持つ部分)のすぐ近くにあります。
正解:露先(つゆさき)
露先とは、雨露が骨に沿って落ちていく先端という意味があります。
傘骨の先端の、布を結びつけてある部分のことです。
傘のてっぺん(先端)の部分
雨が降って傘をさした時、空に向かって突き出しているてっぺんの部分です。
傘を閉じて持ち歩く時は、その部分は地面の方を向いています。
正解:石突(いしづき)
石突とは、地面を突く部分という意味があります。
杖やピッケルの地面を突く部分も「石突」といい、傘の石突は閉じて持ち歩くときにうっかり地面を突いても大丈夫なように作られています。
折りたたみ傘は地面を突くことがないので石突がありません。
雲の切れ間から差し込む太陽の光
太陽が雲に隠れているときに、雲の切れ間や雲の端から光が漏れ、光の柱が放射状に地上へ降り注いで見える現象のことです。
正解:光芒(こうぼう)
光芒とは、尾を引くように見える光のすじ、ひとすじの光という意味があります。
ほかに、
「薄明光線(はくめいこうせん)」
「天使の梯子(はしご)」
「天使の階段」
「ヤコブの梯子」
などいろいろな名前があります。
耳かきについているふわふわ
耳かきの、スプーンのような形をした先端部分の反対側には、ふわふわしたものがついています。
正解:梵天(ぼんてん)
梵天は、カモやアヒルなどの水鳥の羽毛を束ねて接着したもので、耳掃除の仕上げとして細かい垢を拭うために使われます。
梵天がついた耳かきを「梵天耳かき」といいます。
梵天耳かきの「梵天」は、修験者が着用する梵天袈裟(ぼんてんげさ)が由来という説が有力です。
梵天袈裟には、綿帽子状のふわふわした房が左右に2つずつあり、形状・材質・肌触りなどが似ていることから、「梵天」と呼ぶようになったといわれています。
腕時計のねじを回すためのつまみ
腕時計のねじを回すためのつまみは、文字盤の3時の位置の側面に設置されるのが一般的です。
このつまみは、時刻を合わせるとき、秒針を止める時、カレンダーを修正するときなどに使います。
正解:龍頭・竜頭(りゅうず)・リューズ
お寺の釣鐘(つりがね)をつり下げるための綱を通す部分を「鈕(ちゅう)」といいます。
「鈕」には、装飾として「蒲牢(ほろう・姿が龍に似ていて、よく吼えると言われた)」という中国の伝説の生き物の頭が用いられていたことから「龍頭・竜頭」と呼ばれるようになったそうです。
その後、どのような経緯で時計のつまみを「龍頭」と呼ぶようになったのかは不明です。
お弁当に入れるぎざぎざの緑色の葉っぱ
お弁当の仕切りや飾りとして用いるもので、主にプラスチック製で使い捨てです。
ぎざぎざの緑色の葉っぱが一般的ですが、赤いもみじの形をしたものや、笹の葉の形をしたものなどもあります。
正解:人造ハラン または バラン
人造ハランは、おかず同士がくっついて味やにおいが移るのを防いだり、見栄えをよくするためにお弁当に用います。
ハランは、「葉蘭(はらん・ユリ科の常緑多年草)」という植物が由来で、昔はお弁当の仕切りとして葉蘭を用いていました。
植物のものと区別するために、ビニール製のものは「人造ハラン」と呼ばれています。
現在私たちがよく目にするのは「人造ハラン」ですが、短縮して「ハラン」と呼ぶことが多く、発音しづらいので「バラン」と呼ぶようになったそうです。
また、植物の「ハラン」と区別するために「バラン」と呼ぶようになったともいわれています。
トイレのつまりを直す道具
棒の先に、ゴム製のお椀のような形をしたものがついています。
「すっぽん」
「吸引カップ」
「パッコン」
「プカプカ」
などいろいろな呼び方があります。
正解:ラバーカップ
英語では「Plunger(プランジャー)」といい、「ラバーカップ」は和製英語です。
排水管の詰まりを直すために使う清掃用具の一つです。
トイレだけではなく浴室、洗面所、キッチンなどの排水管でも使います。
ウエスタンブーツのかかとについている車輪
西部劇などのカウボーイが履いているウエスタンブーツには、かかとにギザギザの小さな車輪がついています。
正解:輪拍(りんぱく)
馬のお腹に刺激を与え、騎手から馬へ速度の加減を合図するために用います。
乗馬靴のかかとについている道具を拍車(はくしゃ)といいますが、拍車の中でも円盤状のものを「輪拍」といいます。
「輪拍」は、円盤にギザギザがついているものと、ついていないものがあります。
カーペットなどのゴミを取るコロコロ
コロコロ転がすだけで手軽に掃除ができる道具です。
正解:粘着カーペットクリーナー
昭和58年(1983年)に株式会社ニトムズが「粘着カーペットクリーナー」という名前で販売して大ヒットとなりました。
昭和60年(1985年)に商品名を「コロコロ」に改め、商標登録しました。
現在はいろいろなメーカーから「粘着カーペットクリーナー」が販売されています。
カーペットだけではなくフローリングや畳にも使えるもの、小さめで持ち歩きしやすいもの、凹凸の多い衣類に使うものなど種類も多いです。
酒屋や酒蔵の軒先にある植物でできたボール
酒屋や酒蔵の軒先に、植物で作られた大きくてまんまるのボールがぶらさがっています。
季節によって、緑色のものや茶色のものなどがあります。
正解:杉玉(すぎだま)
杉玉は、杉の葉を集めてボール状にしており、一年ごとに新しい物に取り替えます。
作られたばかりの杉玉は緑色をしており、新酒の季節である2月~3月に飾られ始めます。
緑色をした杉玉には「今年も新酒ができました!」という意味があります。
時間が経つにつれ杉玉が茶色に変色していく様子で、新酒の熟成度の目印となります。
お墓の後ろに立っている棒
1m~2mほどの細長い板で、お墓の後ろに立っています。
お墓によっては数えきれないほど立っていることがあります。
正解:卒塔婆(そとば、そとうば)
卒塔婆は、故人や先祖を追善供養(ついぜんくよう)する目的で立てられています。
追善供養とは、生きている人が故人や先祖のために行う供養のことです。
卒塔婆の語源は、サンスクリット語の「Stupa:ストゥーパ」です。
「ストゥーパ」とはお釈迦様(仏教の祖)の遺骨を安置するための仏塔(ぶっとう・仏教建築の塔のこと)です。
インドから中国へ仏教が伝来したときに「卒塔婆」という漢字が当てられたそうです。
関連:【卒塔婆】読み方と意味とは?卒塔婆の書き方と値段、処分の仕方
クリップがついたプラスチック製の鉛筆
ゴルフ場でよく見かける、クリップがついたプラスチック製の鉛筆です。
ゴルフ場だけではなく、アンケート用紙にクリップで留めて使うことも多いようです。
正解:クリップペンシル
クリップペンシルとは、プラスチック製の携帯用鉛筆のことです。
昭和50年(1975年)に日本のゴルフ用品メーカー岡屋株式会社が「ペグシル」という名前で販売をはじめました。
その後、他のメーカーも同様の製品を発売し、
「ゴルフ鉛筆」
「スコア鉛筆」
「簡易鉛筆」
「アンケート鉛筆」
「プラスチック鉛筆」
「使い捨て鉛筆」
など、さまざまな名前で呼ばれています。
ガスコンロなどで鍋を乗せるための金属製の台
ガスコンロやカセットコンロなどについている、鍋ややかんなどを乗せるための金属製の台です。
正解:五徳(ごとく)
五徳は、炭火などの上に設置し、鍋やヤカンなどを置くための器具です。
弥生時代(紀元前10世紀~3世紀中頃)後半ごろには足が付いた形の土器としてすでに存在していたそうです。
現在はガスコンロや電気コンロに設置されており、IHクッキングヒーターには五徳がありません。
神社などでよく見る、数枚ぶらさがっている紙
神社や大きな岩、大きな木などに紙が数枚連なってぶら下がっています。
正解:紙垂(しで)
紙垂とは、しめ縄や玉串(たまぐし)などに付ける四角くヒラヒラした紙のことです。
玉串は、神事に用いられる植物で、神前にお供えする榊(さかき・モッコク科サカキ属の常緑小高木)の枝のことです。
紙垂には「神聖」や「清浄」という意味があり、しめ縄に紙垂を垂らすことで、神聖な場所であることを表します。
関連:しめ縄と紙垂の意味と由来とは?紙垂の簡単な作り方と付け方
跳び箱を飛ぶときに踏む板
跳び箱を飛ぶとき、跳び箱の直前で踏む板です。
正解:ロイター板
ロイター板は、スプリング式の踏切板のことで、開発者のリチャード・ロイターの名前が由来です。
主に体操競技の跳馬、平行棒や段違い平行棒、平均台、跳び箱などに用いられています。
レオナルド・ダ・ヴィンチが書いた人体の絵
きれいな円形と正方形にすっぽり収まっている男性の絵で、両手両足がそれぞれ4本ずつあります。
正解:ウィトルウィウス的人体図
レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452年~1519年、イタリアの芸術家)が、1485~1490年頃に描いたもので、人体の理想的なプロポーションを表現しています。
「プロポーションの法則」や「人体の調和」と呼ばれることもあります。
缶ジュースのプルタブ
缶入り飲料の、開けたあとも缶についたままになるタイプです。
正解:ステイオンタブ
英語で「Stay-on tab」と書きます。
ステイオンタブは、タブ(引っ張る部分)を指にかけて開けても、タブが本体にくっついたまま切り離されないタイプをいいます。
現在、日本ではほぼ全ての飲料缶で採用されています。
「プルタブ」は、缶を開けたときにタブと缶が切り離されるタイプをいうので誤用ということになります。
非常口を示す、緑と白のマーク
不特定多数の人が利用する場所で必ず見かけるもので、緑と白の二色で書かれています。
正解:非常口誘導灯
非常口誘導灯は火災や地震、事故など非常事態が発生したときに、すみやかに避難できるよう設置されています。
緑地に白抜きの誘導灯は、非常口、避難口そのものの場所を表しています。
白地に緑の矢印のついている誘導灯は、非常口や避難口までの通路や経路を表しています。
このように誰が見てもわかりやすい絵を「ピクトグラム」といいます。
神社仏閣で参拝前に手を洗う場所
参道の脇や社殿の脇などに設置されています。
水を張った水盤(すいばん)があり、備え付けの柄杓を使って手や口を清める場所です。
正解:手水舎(てみずや、てみずしゃ、ちょうずや、ちょうずしゃ)
神社やお寺を参拝する人が、参拝の前に手や口を洗うことで身を清める施設で、
「水盤舎(すいばんしゃ)」
「御水屋(おみずや)」
「御手洗(みたらし)」
とも呼びます。
関連:神社やお寺の手水舎の使い方と手の洗い方とは?柄杓が無い場合・汚い場合は?
本に直接つながっているひも状のしおり
本の上部に直接つながっているひも状のしおりで、すべての本についているわけではありません。
正解:スピン
スピンとは、本の背表紙の上部に直接糊付けされ、しおりとして使用する平織りのひものことです。
「栞紐(しおりひも)」や「リボン」ともいいます。
「スピン」と呼ぶのは日本独自の表現で、製本の専門用語とされていますが、語源は不明です。
英語では「bookmark」「bookmarker」といいます。
金魚すくいで金魚をすくう道具
金魚すくいをするときに使う、針金などで丸くした枠に、薄い紙を貼った道具です。
正解:紙ぽい
紙ぽいは、紙と枠が接着してある使い捨てタイプと、紙だけ貼りかえて使うタイプがあります。
「紙ぽい」は、一般的に「ぽい」と呼ばれ、「すくい枠」とも呼びます。
また、紙ではなく「最中(もなか)」を針金のホルダーにつけるものもありますが、こちらはそのまま「最中」と呼びます。
お盆に、野菜に割り箸を刺して動物に見立てるもの
きゅうりとなすに割り箸などを刺して馬や牛などに見立てて、玄関先などに置きます。
正解:精霊馬(しょうりょううま)
精霊馬は、きゅうりとナスに爪楊枝や割りばしを刺して四本足の動物に見立てた物で、ご先祖様の乗り物になります。
きゅうりで作った馬は、ご先祖様が乗って早く帰ってきていただくためのものです。
ナスで作った牛は、ご先祖様が乗ってゆっくり帰っていっていただくためのものです。
風鈴の中にぶらさがっている小さな重り
風鈴の中にぶらさがっていて、風が吹くとチリンチリンと心地よい音を響かせてくれます。
正解:舌(ぜつ)
舌とは、鐘や風鈴などの中についているおもりのことです。
風鈴の「舌」の先には、糸を通して短冊などがつけられており、短冊が風を受けると舌がお椀型をした外身に当たりチリンチリンと涼しげな音が鳴ります。
冷たいものを食べたときに頭がキーンとなる現象
アイスクリームやカキ氷など、冷たいものを一気に食べたときに頭がキーンとなる現象で、短時間で治ります。
正解:アイスクリーム頭痛
アイスクリーム頭痛のメカニズムははっきりとは解明されていません。
口の中や喉の温度が急激に低下することで、一時的に体を温めようと血液量が増え、血管が拡張して炎症を起こすことによって頭痛を感じるという説があります
ゆっくり時間をかけて食べることでアイスクリーム頭痛が予防できるそうですよ。
仏壇の前にある小さな机
仏壇の前にある小さな机で、正座をして丁度良い高さになっています。
正解:経机・経台
「経机・経台」は写経や読経する際に経典・経本を乗せておくための机です。
お線香やリン、お供え物など小物類を置く「御供机(おそなえつくえ)」とは別のものになります。
正式には、仏壇の前に御供机を置き、その前(自分が座る目の前)に「経机」を置きます。
経机は写経の際に筆が転がり落ちないように、両端に「筆返し」という突起がついており、硯(すずり)や筆などを仕舞えるように引き出しがついています。
御供机は経机よりも大きく、筆返しと引き出しはついていません。
本来は「経机・経台」と「御供机」の二つの机が仏壇の前に並ぶのですが、昨今はほぼ同じ扱いとなっており、スペースの問題もあるので「経机・経台」だけにして、そこに小物類を置くご家庭が増えています。
玄関ドアにあるのぞき穴
来訪者がチャイムを鳴らしたら、のぞき穴を確認してから対応しますよね。
正解:ドアアイ または ドアスコープ
ドアアイ(ドアスコープ)は、玄関などのドアに取り付けられる広角レンズです。
内側から外の様子が広く見え、外からは中が見えない構造になっています。
切手の周りの半円状のギザギザ
切手の周りに小さな半円状のギザギザがありますが、複数枚の切手が繋がっている状態では円形の穴が開いています。
正解:目打(めうち)
目打は、切手を切り離しやすいようにつけられています。
また、目打を再現することが難しいので、切手の偽造防止にもなっているそうです。
ラーメンどんぶりの淵に書かれている渦巻き状の模様
ラーメンどんぶりの淵に、赤色で四角いぐるぐるの渦巻き模様が描かれています。
正解:雷紋・雷文(らいもん)
雷紋・雷文は、雷をかたどった伝統的な模様です。
古代中国の殷(いん・紀元前1500年~紀元前1100年ごろ)の時代からある模様です。
雷は自然界の驚異の象徴とされており、魔除けの意味合いで中国の高貴な人々の陶器などにあしらわれていたものが、日本にも伝わりました。
土砂などを運ぶ手押し車
土砂などを運ぶ手押し車で、工事現場や畑などで使われています。
正解:猫車(ねこぐるま) または 一輪車(いちりんしゃ)
タイヤが一つなので「一輪車」と呼ばれています。
一輪車が猫車と呼ばれるようになった理由は諸説あります。
●建築用語で、猫が通るような狭い足場を「猫足場」といい、そのような狭い足場を通ることが出来ることからついたという説。
●動かすと猫のようにゴロゴロと音を立てるからという説。
●裏返した姿が丸まっている猫に似ているからという説。
パスタなどを挟む道具
パスタを作る時によく使う道具で、パン屋さんではパンを挟む時にも使います。
正解:トング
英語で「tongs」と書きます。
トングは、主にパンやパスタなどの食品を挟んでつかむための道具で、ピンセットのように挟むことができるので箸よりも簡単で、軽い力で持ち上げることができます。
ホッチキスの正式名称
ホッチキスは紙にコの字型の金具を差し込んで留める道具です。
正解:ステープラー または ステープラ
英語で「Stapler」と書きます。
明治36年(1903年)に日本に初めて輸入された商品に「HOTCHKISS No・1」と刻印されていたことから「ホッチキス」と呼ばれるようになりました。
「HOTCHKISS No・1」はアメリカの「E・H・HOTCHKISS社(ホッチキス社)」の商品です。
メガネの耳にかける部分
メガネをかけるとき、耳にひっかける部分です。
正解:テンプル または つる
テンプルができるまで、メガネは鼻に乗せるだけのものでした。
18世紀前半にロンドンでテンプルつきのメガネが開発されました。
メガネの鼻に当たる部分
メガネをかけるとき、鼻に当たる部分があります。
劣化しやすい部分なので、メガネ屋さんで定期的に交換してもらう人も多いのではないでしょうか。
正解:ノーズパッド または 鼻パッド
鼻に当たるパッド状のパーツで、メタルやプラスチック、シリコンなどいろいろな材質のものがあります。
靴紐の先についている固い部分
スニーカーなどの靴紐を「シューレース(shoelace)」といいますが、シューレースの先についている固い部分です。
正解:アグレット
アグレットはシューレースの先端についた固い部分で、プラスチック製や金属製などがあります。
シューレースがほつれるのを防いだり、靴紐を通しやすくしたりする役目があります。
アグレットはフランス語で、「小さな針」という意味の「aiguillette」が由来です。
ドアの上部についている突起物
ドア本体の上部についている突起物と、ドアの枠についているものがあり、役割や名前は同じです。
正解:戸当たり
戸当たりは、ドアを開け閉めするとき、壁にぶつかるのを防いだり、ドアの開きすぎを防いだりする目的があります。
ドア本体の上部についている突起物は、ドアやドアノブが壁に当たらないようにつけられています。
ドアの枠についているものは、枠の左右と上についており、ドアをその位置より奥に行かないようにしており、隙間風を防ぐ目的もあります。
足を乗せるための椅子
ソファーなどの腰掛に付属しているもので、座った時に足を乗せるための椅子です。
正解:オットマン
オットマンは、ソファーなどに腰かけたときに足を乗せるためのクッションつきの椅子で、ひじ掛けや背もたれなどはありません。
オットマンの語源は、オスマン帝国だといわれ、日本語では「オスマン」と言いますが、英語圏では「オットマン」と発音するそうです。
オスマン帝国とは、中央アジアから移住したトルコ人によって、西部アナトリアに建国されたイスラム王朝(1299年~1922年)のことです。
オスマン帝国でオットマンの原型が誕生したことから名付けられたそうです。
「foot stool(フットスツール)」や「足置き台」と呼ぶこともあります。
Footは足、stoolは椅子という意味です。
二つ折りになっているマッチ
二つ折りになっている紙の間に、マッチが挟まっているものです。
正解:ブックマッチ
ブックマッチは「紙マッチ」とも呼ばれす。
二つ折りになっている厚紙の間にマッチが挟まれており、一本ずつはぎ取って使います。
原稿用紙の中心にある印
原稿用紙の中心に、蝶ネクタイのような、魚のような、特徴的な形をした印があります。
正解:魚尾(ぎょび)
魚の尾のような形をしているので「魚尾」という名前になりました。
魚尾は、原稿用紙をきれいに二つ折りにするための目印です。
錠剤が入っているプラスチック製の容器
錠剤が1粒ずつ入っていて、指で押せば一粒ずつ取り出すことができる容器です。
正解:PTP包装シート
PTP(press through pack)包装シートは、薬を包装で、錠剤やカプセルをプラスチックとアルミで挟んだシート状のものです。
お弁当のご飯にかけるピンクの粉
お弁当のご飯や、お寿司、おにぎりなどにも使う、ピンク色の甘い粉です。
正解:桜田麩(さくらでんぶ)
タイやタラ、ヒラメなど白身魚の身を細かくほぐして蒸したり茹でたりして、砂糖やみりんなど調味料で味付けしたものを「田麩」といい、佃煮の一種としても扱われています。
「田麩」に食紅で淡い紅色をつけたものを「桜田麩」といいます。
ハンコの持ち手についているくぼみ
ハンコの持ち手には、くぼみがあったり、突起物が埋め込まれていたりします。
正解:アタリ
アタリとは、ハンコの持ち手部分を削ってくぼみを作ったり、突起物を埋め込んでいる部分です。
ハンコを押すときに上下左右の位置がわかるように目印のためにつけられています。
「探り(さぐり)」と呼ぶこともあります。
バナナの皮に現れる黒い点々
バナナをしばらく置いておくと、バナナの皮にぽつぽつと黒い点々が現れます。
正解:シュガースポット
シュガースポットは、バナナが完熟するにつれて皮に現れる黒い斑点のことです。
シュガースポットが現れるころにはバナナがしっかりと熟しており、甘さが増して芳醇な香りが楽しめます。
ケーキなどに散りばめられた銀色の粒
ケーキやクッキーなど、お菓子に散りばめられた銀色の小さな粒です。
正解:アラザン
アラザンは製菓材料のひとつで、お菓子の飾りつけとして使われます。
フランス語で銀を意味する「argent」が由来です。
砂糖とデンプン(コーンスターチなど)を混ぜ合わせて粒子状に加工し、食用銀粉または銀箔で覆われたものが一般的です。
ちょんまげ頭の剃った部分
時代劇などでよく見かける、昔の男性の頭髪で、ちょんまげ頭の髪の毛を剃った部分です。
正解:月代(さかやき)
月代は、前頭部から頭頂部にかけての、頭髪を剃りあげた部分を指します。
兜(かぶと)をかぶったときに頭が蒸れるのを防ぐために始まった風習だといわれています。
もともとは髪の毛を一本一本毛抜きで抜いていたそうですが、頭皮が炎症を起こしてしまうため次第に剃るようになったそうです。
月代の語源は定かではありません。
取っ手がついている小鉢
鍋料理を食べる時に使うことの多い、取っ手がついている小鉢です。
正解:湯匙(とんすい) または 呑水(とんすい)
湯匙は、縁の一部が少しだけ突出して取っ手のようになっている小鉢です。
もともと湯匙は、水などをすくって飲む道具だったと考えられており、突出した部分は、水などをすくう時の取っ手の名残だとされています。
その後、鍋料理をよそうためのしゃもじやおたまを置くための道具として使われるようになりましたが、客が間違って料理を入れる器として使用してしまい、客に恥をかかせないため店が気遣って、器としての使ったのが広まったといわれています。
「とんすい」の由来は諸説あり、中国の陶製のスプーン「湯匙(たんちー)」が日本に伝わった時、「とんすい」と聞こえたという説があります。
また、「陶製の匙(さじ)」を長崎県の方言で「とんすい」と言っていたという説があります。
料理にかぶせる銀色の丸い蓋
レストランで、料理をテーブルに運んでくる時、銀色の丸い蓋をかぶせたままの時があります。
正解:クローシュ、クロッシュ、クロシュ
フランス語で、釣鐘や鐘型のカバーを「cloche」といいます。
クローシュは、厨房からテーブルまで、料理の鮮度を保ったり、料理が冷めないようにかぶせるもので、保温性があります。
食卓の食べ物を覆う道具
食卓に置いた食べ物を、蝿などの虫から守るために覆う道具です。
正解:蝿帳(はいちょう、はえちょう)
蝿帳は、食卓の食べ物を覆って虫や埃から守る道具です。
折りたたみ式で、布やレースなどで作られている物が多いです。
「キッチンパラソル」「フードカバー」「食卓カバー」などと呼ぶこともあります。
ジーンズの右前にある小さなポケット
ジーンズの右前にある小さなポケットで、携帯電話や財布を入れることができないサイズです。
正解:ウォッチポケット
ウォッチポケットは、懐中時計を入れる目的で作られたものです。
現在は懐中時計を入れることは滅多にありませんが、デザインとして残されています。
腕時計が普及してからはコイン(小銭)を入れるようになったので「コインポケット」とも呼ばれています。
シャツの背中の輪
シャツの背中や、肩、スカートやズボンのウエスト部分などについている輪っかです。
正解:ハンガーループ
英語で「hanger loop」と書きます。
「吊るす(hang)ための輪っか(loop)」ということで、衣類を干すときに使うものです。
肩やウエスト部分に、左右2カ所ある場合は、その紐をハンガーに通して干します。
背中にひとつだけハンガーループがついているものは、ハンガーが普及する前の時代の名残だといわれています。
羽根つきの羽の先端の黒くて丸い部分
羽根つきの羽の先端部分は、黒くて丸いものがついています。
正解:無患子(むくろじ)
無患子は落葉高木で、種の部分を羽子板の羽に使います。
「無患子=子どもが患わない」という意味があります。
関連:羽子板を初正月に贈る意味とは?羽根つきはなぜ顔に墨を塗るの?
ローストチキンの骨に巻きつけている飾り
ローストチキンの足の部分に巻き付いている飾りで、ヒラヒラして華やかです。
正解:チャップ花
花冠という意味の英語「chaplet」が語源といわれています。
「ペーパーフリル」
「マンシェット」
「チキンチャップ」
と呼ぶこともあります。
蛇使いが吹いている笛
蛇使いが吹いている、ひょうたんのような形をした笛です。
正解:プーンギ
インドの楽器で「ビーン」とも呼ばれています。
ひょうたんに竹の管を2本(3本のものもある)差し込んでおり、蛇使いが使う楽器として有名です。
縁側に置かれている大きな石
縁側に置かれている大きな石で、縁側に上がる時などに使います。
正解:沓脱石・靴脱石(くつぬぎいし)
沓脱石・靴脱石は縁側の前に置き、履物を脱いでそこに置いたり、踏み台にしたりする石です。
段差のある座敷から外に出やすくする目的で置かれ、室内から庭を眺めたり外から庭を眺めたりする時の景観を良くする役割もあります。
「踏石(ふみいし)」ともいいます。
電車の屋根にとりつけられた菱形の道具
電車の屋根にとりつけられた菱形の道具で、最近は菱形ではなく「く」の字の電車が増えてきました。
正解:パンタグラフ
架線(電線)に直接接触して、電車に電気を取り入れるための道具です。
形と動きが、絵や図の大きさを拡大、縮小して写し取ることのできる「パンタグラフ」という製図器具に似ていることが名前の由来です。
飛行機と搭乗待合室を繋ぐ通路
空港で、飛行機と搭乗待合室を繋ぐ可動式の通路です。
正解:ボーディング・ブリッジ
空港のターミナルビルから旅客機や客船に乗客や乗員を乗降させるための設備です。
英語で「boarding bridge」と書きます。
「搭乗橋(とうじょうきょう)」
「パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ (PBB)」
とも呼びます。
港によっては、船舶への乗降用に設置されていることがあります。
船舶のときも「ボーディング・ブリッジ」と呼びます。
鏡餅を乗せる台
鏡餅を乗せる木製の台です。
正解:三方(さんぽう) または 三宝(さんぽう)
三方は、神道では神前にお供え物をする時に使う台です。
仏教でもお供え物をする時に使う台ですが、仏教の三つの宝である「仏・法・僧」とかけて三宝と書きます。
卵黄についている白いひも状の物
卵を割った時、卵白の中に混じっていて、卵黄に繋がっている白いひも状の物です。
正解:カラザ
カラザは、卵黄をたまごの中央につなぎとめ、衝撃から守る役割があります。
見た目や舌ざわりが気になってカラザを取り除く人もいますが、食べても問題はなにもありませんし、卵の栄養をすべて取り入れたい場合は取り除かずに食べてしまいましょう。
ラテン語で霰(あられ)を意味する「chalaza」が語源といわれています。
工事現場などに置かれている三角の道具
工事現場などで人が立ち入らないように置かれています。
運動会で折り返し地点やゴールなどに目印として置くこともあります。
正解:ロードコーン、パイロン、三角コーン、セーフティコーン
道路や工事現場などの規制や区分けを目的として置かれる高さ約70cm前後の円錐形の保安器具です。
「カラーコーン」という呼び方も有名ですが、セフテック株式会社の登録商標です。
線路と線路に挟まれるタイプのホーム
駅のホームにはいくつか種類があります。
線路と線路に挟まれるタイプのホームは、ホームにいると両方の線路に電車が停まったり、電車が通過したりします。
正解:島式ホーム
上から見るとホームが島のように見えるので島式と呼ばれています。
面積を広く確保しにくい都市部の駅、高架の駅、地下鉄の駅などでよく見かけます。
ホームはほかに、
「対向式(相対式)ホーム」
「単式ホーム」
「頭端式(とうたんしき・櫛(くし)型)ホーム」
などがあります。
「対向式(相対式)ホーム」は、島式ホームとは逆の作りで、ホームとホームの間に線路があります。
「単式ホーム」は、ホームが一つ、線路が一つのつくりで、単線の鉄道で多く見かけます。
「頭端式(櫛型)ホーム」は、線路の行き止まりがある駅でよく見かけるもので、複数のホームの端が繋がっています。
みなさんはいくつ正式名称をご存知でしたか?
商品名があまりに有名で、正式名称よりも商品名が一般的になっているものがあったり、正式名称とは別にいろいろな呼び方がある物があったりと、調べてみると面白いですね!
ここでご紹介したもの以外にも、身近によく見かけるのに意外と名前がわからないものはきっとあると思います。
気になる物を見つけたら調べてみると、意外な発見があるかもしれませんね。
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