神棚には「しめ縄」が飾られていますよね。
似たような言葉で「しめ飾り」や「正月飾り」というものがありますが、「しめ縄」「しめ飾り」「正月飾り」にはどのような意味があり、それぞれどう違うのでしょうか?
また、いつからいつまで飾るのでしょうか?
処分の仕方についてもわかりやすく解説します。
しめ縄の意味とは?
しめ縄は、神様を祀る神聖な場所であることを示し、神様の領域と私たちが住んでいる領域を分ける結界の役割があります。
神様がそこに宿る印ともいわれています。
また、厄(やく)や禍(わざわい)を祓う意味があるともいわれています。
神棚のしめ縄は紙垂(しで)をつけたまま一年を通して飾っておくのが一般的です。
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しめ縄の由来は日本神話です。
太陽の神である天照大御神(あまてらすおおみかみ)が、弟の須佐之男命(すさのおのみこと)の乱暴な行いに怒り、天岩戸(あまのいわと)へお隠れになったため、世界が真っ暗になってしまいました。
ほかの神様たちはなんとか天照大御神を天岩戸から連れ出そうと、天岩戸の前でお祭り騒ぎを始め、何事かと気になった天照大御神が様子を伺いに出てきました。
そして、天照大御神が再び天岩戸へお隠れにならないよう、すぐに岩戸を閉め、岩戸に縄を張り巡らしました。
その縄がしめ縄の由来だといわれています。
しめ飾りの意味とは?
しめ飾りとは、しめ縄を縁起物で飾り付けたものです。
お正月に年神様(としがみさま・毎年お正月に各家にやってきて豊作や幸せをもたらす神様)をお迎えするために、玄関の上の方やドアの上に人の目線よりも上の位置に飾ります。
しめ飾りの縁起物は、基本的には以下のものがあります。
●ゆずり葉(ユズリハ科の常緑高木)
●橙(だいだい・ミカン科ミカン属の常緑樹、およびその果実)
●裏白(うらじろ・シダ植物門ウラジロ科に属するシダ)
「ゆずり葉」は、新芽が出てから古い葉が落ちることから、その家が絶えることなく続くという意味があります。
「橙」は、「だいだい=代々」から、その家が代々繁栄するという意味があります。
「裏白」は、裏側が白いシダ植物で、裏がなく心が潔白であることや、白髪が生えるまで長生きでるという意味があります。
ほかにも
●末広がりで縁起が良い「扇」
●おめでたいを連想する「鯛」
●長寿を願う「海老」
●「謹賀新年」や「迎春」などお正月をお祝いする言葉が書かれた札
●「家内安全」や「商売繁盛」など願いが書かれた札
などいろいろな種類があります。
正月飾りの意味とは?
正月飾りは年神様を迎えるために飾るものです。
先ほど紹介した「しめ飾り」も正月飾りのひとつです。
他に「門松(かどまつ)」「鏡餅(かがみもち)」なども正月飾りです。
「門松」は、竹や松で作られた正月飾りで、家の門の前などに立てます。
「松飾り、飾り松、立て松」とも言い、年神様が迷うことなく家にいらっしゃるよう、目印になるのが門松と考えられています。
古くから樹木には神様が宿ると考えられており、中でも松(まつ)は「祀る(まつる)」につながることから、おめでたい樹木とされ、正月の門松に使われるようになったそうです。
「鏡餅」は、年神様が宿る場所といわれており、鏡餅をお供えして年神様をお迎えします。
正月が終わると「鏡開き」をします。
鏡開きとは、鏡餅をお雑煮やお汁粉などにして、無病息災を願って食べる行事です。
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しめ縄、しめ飾り、正月飾りの違いとは?
要約すると次のようになります。
●しめ縄
神様を祀る神聖な場所であることを示し、神様の領域と私たちが住んでいる領域を分ける結界の役割がある。
●しめ飾り
しめ縄を縁起物で飾り付けたもので、お正月に年神様を迎えるために飾ります。
●正月飾り
お正月に年神様を迎えるために飾るもので、しめ飾りも正月飾りの一種であり、他に、門松や鏡餅なども正月飾りです。
いつからいつまで飾る?
しめ縄は、一年を通して飾っておくのが一般的です。
また、取り換える時期に決まりはありませんが一般的に年末の大掃除のときに取り換え、「どんど焼き」で処分します。
取り外した、しめ縄はどんど焼きの日まで大事に保管しておきましょう。
年末の大掃除で取り換えることが一般的ですので、神社では秋ごろから新しいしめ縄の事前予約をしているところもあります。
また、ホームセンターやネット通販でも購入することができますよ。
一年のうちどのタイミングで取り換えるにしても、古いしめ縄をはずしたらすぐに新しいものをつけられるよう、事前に準備しておくとよいでしょう。
しめ飾りを含む正月飾りは、松の内の期間に飾ります。
「松の内」は12月13日から始まります。
12月13日は正月事始め(しょうがつことはじめ)といって、煤払い(すすはらい)や松迎え(まつむかえ)など、お正月の準備を始める日と言われています。
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松の内が終わるのは地域によって異なり、関東をはじめほとんどの地域では1月7日、関西では1月15日です。
よって、正月飾りを飾る期間は
関東をはじめほとんどの地域では12月13日~1月7日
関西では12月13日~1月15日
ということになります。
12月13日以降に大掃除を進めて行き、正月飾りをするのは12月25日~28日の間が一般的で、遅くても12月30日には飾ります。
また、29日は「二度苦しむ・二重に苦しむ」を連想し、31日は「一夜飾り」といって神様に失礼に当たるので避けた方が良いでしょう。
お正月の期間は神棚にしめ縄、玄関にしめ飾りと、両方飾ることになりますが、両方飾らねばならないという決まりはありませんので、しめ飾りはせずに神棚にしめ縄だけというご家庭もあります。
年末のしめ縄としめ飾りの飾り方・取り換えは以下の流れになります。
1 | 新しいしめ縄、しめ飾りを準備する |
2 | 年末の大掃除の時に、神棚の古いしめ縄を取り外し、新しいしめ縄を飾り、玄関やドアなどにしめ飾りを飾る |
3 | 取り外した古いしめ縄はどんど焼きまで大事に保管しておく |
4 | お正月期間が終わったらお正月期間に飾ったしめ飾り取り外し、保管していた古いしめ縄とともにどんど焼きに持って行く。 |
5 | 新しいしめ縄は次に取り換えるまでそのまま飾ります。 |
処分の仕方
年末に取り外したしめ縄や松の内を過ぎた正月飾りは神社などで行われる どんど焼きで処分してもらいましょう。
どんど焼きは、年神様が空へ帰っていくのをお見送りし、五穀豊穣や無病息災などを祈願する行事です。
やぐらなどを組んで火をつけ、お正月飾りを燃やしますが、年神様はこの時の煙に乗って空へ帰っていくと考えられています。
松の内が明けてから、どんど焼きまでに日数がある場合でも、飾りっぱなしにはせず、取り外して保管しておきましょう。
神社によっては保管場所を設けることもありますので、お近くの神社に確認してするといいですね。
また、お寺でもお焚き上げをしてくれますので、問い合わせてみてください。
しめ縄や正月飾りは縁起物ですので、ゴミとして処分するのはなるべく避けたいですよね。
しかし、様々な事情でゴミとして処分することもあるかもしれません。
ご自宅で処分する場合は、塩で清めて、白い紙に包んでから、ゴミに出すようにすると良いでしょう。
また、門松は大きさによっては粗大ごみのサイズになることもありますので、お住いの自治体のごみ処理の方法を確認してから処分してくださいね。
しめ飾りお正月に飾るもので、しめ縄を縁起物で飾り付けたものだったのですね。
しめ飾りは、正月飾りのひとつでもありますので、飾る時期はお正月の期間だけですが、しめ縄は一年中神棚に飾っておくもので交換時期は特に決まりがないのですね。
しかし、多くの人が年末に取り換えるようです。
しめ縄も正月飾りも、神様に関わる大切なものですので、丁寧に取り扱い、感謝の気持ちで処分すると良いですね。
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