「社日」という言葉をご存知ですか?
あまり聞きなれない言葉ですが、私たちの生活に古くから受け継がれている習慣のひとつのようです。
今回は社日の意味と読み方、2025年はいつなのか、お供えするものについてわかりやすく解説します。
社日の読み方と意味とは?
社日の読み方は「しゃにち」です。
社日の「社」には、「土地の守護神、産土神(うぶすなかみ)」という意味があり、 土地の神様である産土神を祀る日とされています。
社日は「雑節(ざっせつ)」のひとつです。
一年間を24等分にした「二十四節気」や、「五節句」のほかに、季節の移り変わりをより的確につかむために設けられた暦日(れきじつ・こよみで定められた日)が「雑節」です。
「節分」「お彼岸」「土用」なども雑節になります。
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社日は、もともとは古代中国で土地の神様を祀る祝日が、日本に伝わったものです。
いつごろ日本で広まったのか定かではありませんが、古来より八百万(やおよろず・数え切れないほどたくさん)の神々を大切にしていた日本人には「土地の神様を祀ること」は受け入れやすい習慣だったようです。
社日は、1年間に2回あります。
春の社日は「春社(しゅんしゃ・はるしゃ)」
秋の社日は「秋社(しゅうしゃ・あきしゃ)」
と略されることもあります。
春の社日は種まきの時期で、秋の社日は収穫の時期です。
そのため、農業にとって大事な節目の日とされ、春の社日では五穀豊穣を願い、秋の社日では収穫に感謝し、産土神をお祀りします。
社日はいつ行われるの?
社日は、1年間に2回あり以下の日に行われます。
●3月21日ごろの「春分の日」に最も近い「戊(つちのえ)の日」
●9月23日ごろの「秋分の日」に最も近い「戊(つちのえ)の日」
では、戊の日とはどのような日のことでしょうか?
「戊(つちのえ)」は十干(じっかん)のひとつです。
十干は553年に中国から日本に伝来したといわれており、以下の10種類です。
・甲(こう)
・乙(おつ)
・丙(へい)
・丁(てい)
・戊(ぼ)
・己(き)
・庚(こう)
・辛(しん)
・壬(じん)
・癸(き)
十干は五行思想(ごぎょうしそう)の万物は木、火、土、金、水の五種類の元素からなるという考えをもとにしています。
そして、それぞれの元素を陰陽思想である陽(兄(え))と陰(弟(と))に分けたもので以下のようになります。
甲(こう)は、陰陽五行思想で、木の兄「きのえ」といいます。
乙(おつ)は、陰陽五行思想で、木の弟「きのと」といいます。
丙(へい)は、陰陽五行思想で、火の兄「ひのえ」といいます。
丁(てい)は、陰陽五行思想で、火の弟「ひのと」といいます。
戊(ぼ)は、陰陽五行思想で、土の兄「つちのえ」といいます。
己(き)は、陰陽五行思想で、土の弟「つちのと」といいます。
庚(こう)は、陰陽五行思想で、金の兄「かのえ」といいます。
辛(しん)は、陰陽五行思想で、金の弟「かのと」といいます。
壬(じん)は、陰陽五行思想で、水の兄「みずのえ」といいます。
癸(き)は、陰陽五行思想で、水の弟「みずのと」といいます。
そして、この十干を一日ごとに割り当ると、
1日目が甲(きのえ)の日
2日目が乙(きのと)の日
5日目が戊(つちのえ)の日
10日目が癸(みずのと)の日
となり、10日で一巡します。
つまり、戊(つちのえ)の日は10日に一度巡ってくることがわかります。
戊の日が選ばれたのは、戊が(土の兄)だからです。
戊(土の兄)は、陰陽五行思想で「土の徳を備えたもの」とされるため、土にお祈りと感謝を捧げ、土地の神様を祀る日として選ばれたと考えられています。
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2025年の「社日」はいつ?
2025年の社日は以下の日に行われます。
●春社
春分の日は3月20日です。
最も近い戊の日は3月20日です。
●秋社
秋分の日は9月23日です。
最も近い戊の日は9月26日です。
ということで、
春の社日は3月20日(木)
秋の社日は9月26日(金)
になります。
お供えするものは何?
社日のお供え物は一般的には、
春の社日は、 麦や米をお供えして五穀豊穣を祈ります。
秋の社日は、 収穫したばかりのお米を一升瓶に入れたものと、お銚子に入れたお酒、おはぎなどをお供えして収穫を感謝します。
お供えはその土地でとれた野菜、野菜の種などをお供えするところもあります。
社日の食べ物は特にありませんが、秋の社日にはお供えしたあとにおはぎを食べることがあるようです。
社日にしてはいけないこと
社日は、土地の神様をお祀りする日です。
土に関する神様なので、この日は土いじりなどを避け、農作業も休んだ方が良いといわれています。
社日というのは土地の神様を祀る日で五穀豊穣を願ったり、収穫を感謝したりする日であることがわかりましたね。
今とは違って食べ物に困ることの多かった時代には、とても重要な日だったのでしょう。
この日は、日本各地でその土地の神様を祀る行事が行われています。
春分の日や秋分の日は祝日にもなっているので気になりますが、社日はあまり馴染みがない方も多いかもしれません。
今年の社日には、お近くの神社にお参りしみてはいかがでしょうか?
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